○白鷹町環境基本条例

平成12年9月25日

条例第31号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 良好な環境の保全及び創造に関する施策の基本方針(第7条)

第3章 良好な環境の保全及び創造に関する基本的な施策等(第8条―第14条)

附則

(前文)

白鷹山の頂きから朝日が燦々とふりそそぎ、町の中央を流れる最上川の川面が光り、草木が爽やかな風を受け、白鷹町の一日が始まる。人びとを慈しみ育てた自然環境が、悠久の時の流れを刻んで歴史と文化を育み、明るい未来への架け橋となってきた。

白鷹町は、四季折々の豊かな自然環境を基に、太陽の恵みの下に育つ生物、その恩恵を受ける人びとすべてが健康であるまちづくりを目指し「健康都市宣言」を行い、町民一丸となって努力をし続けてきた。

しかしながら、近年の社会経済活動の急速な進展は、生活の利便性を高めてきたものの、微妙な均衡の下に成り立つ自然の生態系にも悪影響を及ぼし、人類の存続の基盤である地球環境をも揺るがしていることから、新たな対応が求められている。

いうまでもなく、すべての町民は健康で快適かつ文化的な生活を享受する権利を有すると同時に、この恵み豊かな環境を維持し、発展させ、将来の世代に継承していく責務がある。

わたしたちは、環境が人間のみならずあらゆる生命の母体であり、かつ限りがあることを深く認識し、町、町民及び事業者が相互に協力しあい、すべての英知と総力を結集し、豊かで美しい環境の保全と創造に努めることを決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、白鷹町の良好な環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに町、町民及び事業者の責務を明らかにするとともに、良好な環境の保全及び創造に関する施策(以下「環境施策」という。)の基本となる事項を定めることにより、環境施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の町民の健康で快適かつ文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「良好な環境」とは、人の健康が保護され、生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌、その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されることをいう。

(基本理念)

第3条 良好な環境の保全及び創造は、町民が健康で快適かつ文化的な生活を営むことのできる恵み豊かな環境を確保し、これを将来の世代に継承できるよう適切に行わなければならない。

2 良好な環境の保全及び創造は、自然の生態系が健全に維持されるよう配慮するとともに、人と自然との共生が確保されるよう適切に行わなければならない。

3 良好な環境の保全及び創造は、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な町を構築するため、すべての者が公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行わなければならない。

4 地球環境保全は、人類共通の課題であるとともに、人類がその一部として存在していることを深く認識し、あらゆる事業活動及び日常生活において積極的に行わなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境施策を総合的かつ計画的に実施及び推進する責務を有する。

2 町は、良好な環境の保全及び創造に関する町民意識の高揚に努めなければならない。

3 町は、必要に応じ、国、県及び近隣市町と連携して環境施策を実施及び推進するように努めなければならない。

(町民の責務)

第5条 町民は、基本理念にのっとり、自然環境の適正な保全並びに日常生活に伴う資源及びエネルギーの消費、廃棄物の排出等による環境への負荷を低減するよう努めなければならない。

2 町民は、環境についての理解を深めるとともに、自ら進んで良好な環境の保全及び創造に努めなければならない。

3 町民は、町が実施する環境施策に協力する責務を有する。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、事業活動を行うにあたっては、公害を防止し、自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合に、適正な処理が図られるように必要な措置を講ずる責務を有する。

3 事業者は、事業活動に係る廃棄物の発生を抑制するとともに、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4 事業者は、環境についての理解を深めるとともに、積極的に良好な環境の保全及び創造に努めなければならない。

5 事業者は、町が実施する環境施策に協力する責務を有する。

第2章 良好な環境の保全及び創造に関する施策の基本方針

(施策の基本方針)

第7条 町は、基本理念にのっとり、環境施策の実施及び推進にあたっては、次に掲げる事項を基本方針とする。

(1) 大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素を良好な状態で確保すること。

(2) 生物の種の保存及び生物の多様性の確保を図ること。

(3) 森林、農地、水辺地等における多様な自然環境の保全及び回復を図ることにより、人と自然が健全に共生することのできる良好な環境を確保すること。

(4) 最上川水系の流域における環境について、総合的に保全を図り、創造すること。

(5) 人と自然との豊かな触れ合いを確保するとともに、地域の特性を生かした良好な景観の形成及び良好な景観を構成する歴史的文化的資源の保全を図り、創造すること。

(6) 廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用等を推進することにより、環境への負荷の低減を図ること。

(7) 良好な環境の保全及び創造についての関心と理解を深めるとともに、活動を行う意欲が増進されるよう、教育及び学習の振興並びに広報活動の充実を図ること。

(8) 環境施策を効率的かつ効果的に推進するため、町、町民及び事業者が協働することのできる社会の形成を図るとともに、より質の高い環境を創造すること。

第3章 良好な環境の保全及び創造に関する基本的な施策等

(環境基本計画)

第8条 町長は、環境施策を総合的かつ計画的に実施及び推進するため、前条の基本方針に基づき、白鷹町環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 良好は環境の保全及び創造に関する目標

(2) 良好な環境の保全及び創造に関する施策の方向

(3) 良好な環境の保全及び創造に関する配慮の指針

(4) その他環境施策を総合的かつ計画的に実施及び推進するために必要な事項

3 町長は、環境基本計画を策定するにあたっては、あらかじめ白鷹町環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 町長は、環境基本計画を策定したときは、速やかに、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

6 町長は、環境基本計画を策定したのちにおいては、環境基本計画に基づく環境施策の実施状況等を明らかにするため、環境報告書を作成し、これを公表するものとする。

(協定等の締結)

第9条 町長は、公害の防止、自然環境の保全及び快適性のある環境の確保のために必要があると認めるときは、町民及び事業者と協定等を締結することができる。

2 町民及び事業者は、町長が協定等の締結について協議を求めたときは、これに応じなければならない。

3 協定等を締結した町民及び事業者は、当該協定等を遵守しなければならない。

(指導、助言及び助成)

第10条 町長は、良好な環境の保全及び創造のために必要があると認めるときは、町民及び事業者に対し、指導、助言及び助成を行うことができる。

2 町長は、前項の指導、助言及び助成を行ったときは、必要な報告を求めることができる。

(監視、測定及び調査等)

第11条 町長は、環境の監視、測定及び調査の体制の整備に努めるとともに、環境に関する情報を体系的に収集及び整備するものとする。

2 町長は、必要に応じ、環境の監視、測定及び調査の結果並びに環境に関する情報を町民及び事業者に提示することができる。

(勧告及び公表)

第12条 町長は、公害等により環境を著しく悪化させた者に対し、必要な勧告を行い、勧告に従わないときは、その内容及び氏名等を公表することができる。

(表彰)

第13条 町長は、良好な環境の保全及び創造に関し、顕著な功績があった者を表彰することができる。

(委任)

第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、平成12年11月1日から施行する。

白鷹町環境基本条例

平成12年9月25日 条例第31号

(平成12年9月25日施行)