生活保護
生活保護制度
資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なります。)
1.制度の趣旨
生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。
2.相談・申請窓口
生活保護の相談・申請窓口は、現在お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。福祉事務所は、市(区)部では市(区)が、町村部では都道府県が設置しています。
(注)
- 福祉事務所を設置していない町村にお住まいの方は、町村役場でも申請の手続を行うことができます。
- 一部、福祉事務所を設置している町村もあります。
3.生活保護を受けるための要件及び生活保護の内容
(1)保護の要件等
生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
- 資産の活用とは
預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充ててください。
- 能力の活用とは
働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください。
- あらゆるものの活用とは
年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用してください。
- 扶養義務者の扶養とは
親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。
そのうえで、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用されます。
- お住まいの地域の級地を確認
- 生活扶助基準額について
(2)支給される保護費
厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。
(3)保護の種類と内容
以下のように、生活を営む上で必要な各種費用に対応して扶助が支給されます。
生活を営む上で生じる費用 |
扶助の種類 |
支給内容 |
日常生活に必要な費用
(食費・被服費・光熱費等)
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生活扶助
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基準額は、
(1)食費等の個人的費用
(2)光熱水費等の世帯共通費用を合算して算出。
特定の世帯には加算があります。(母子加算等)
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アパート等の家賃
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住宅扶助
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定められた範囲内で実費を支給
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義務教育を受けるために必要な学用品費
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教育扶助
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定められた基準額を支給
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医療サービスの費用
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医療扶助
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費用は直接医療機関へ支払
(本人負担なし)
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介護サービスの費用
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介護扶助
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費用は直接介護事業者へ支払
(本人負担なし)
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出産費用
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出産扶助
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定められた範囲内で実費を支給
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就労に必要な技能の修得等にかかる費用
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生業扶助
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定められた範囲内で実費を支給
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葬祭費用
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葬祭扶助
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定められた範囲内で実費を支給
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4.生活保護の手続きの流れ
事前の相談
生活保護制度の利用を希望される方は、お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当までお越し下さい。生活保護制度の説明をさせていただくとともに、生活福祉資金、各種社会保障施策等の活用について検討します。
保護の申請
生活保護の申請をされた方については、保護の決定のために以下のような調査を実施します。
- 生活状況等を把握するための実地調査(家庭訪問等)
- 預貯金、保険、不動産等の資産調査
- 扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査
- 年金等の社会保障給付、就労収入等の調査
- 就労の可能性の調査
保護費の支給
- 厚生労働大臣が定める基準に基づく最低生活費から収入(年金や就労収入等)を引いた額を保護費として毎月支給します。
- 生活保護の受給中は、収入の状況を毎月申告していただきます。
- 世帯の実態に応じて、福祉事務所のケースワーカーが年数回の訪問調査を行います。
- 就労の可能性のある方については、就労に向けた助言や指導を行います。
5.相談・申請に必要な書類
生活保護の申請にあたっては、必要な書類は特別ありませんが、生活保護制度の仕組みや各種社会保障施策等の活用について十分な説明を行うためにも、生活保護担当窓口での事前の相談が大切です。
なお、生活保護の申請をした後の調査において、世帯の収入・資産等の状況がわかる資料(通帳の写しや給与明細等)を提出していただくことがあります。